渡部純子×中田佳代子「バルセロナより愛をこめて」

渡部純子さんと中田佳代子さんの「バルセロナより愛をこめて」観て来ました。
ともにバルセロナを第二の故郷とするフラメンカ。
エッジの効いた渡部さん、ウイットに富んだ中田さん、
どちらも濃厚で、とっても温かい。

バルセロナという人生の交差点で出会い、そこで助け合い、
そして離れてもそれぞれの場所で互いの成長を想い、
支えにしながら研鑽を積み上げ、
また日本という交差点で交わり実現した今日のライヴ。

フラメンコの険しい道を歩み続け、異国で結果を出してきたお二人の強さ、
互いの愛情と信頼の重み、その凄みが、明るく伝わって来ることに、本当に感動しました。

バルセロナで12年もの間フィグーラ(トップダンサー)を張った渡部純子さんの、
ラストのソレアが圧巻。
絶頂を迎えてさらにクレッシェンドしていき、爆発する渡部さんのパワー。
そう、これが見たかった!
そしてそれは内省的な深みをも増していました。
まるでハイスピードカメラの映像のように、激しいはずの動きが脳内スローモーションとなり、
くっきり鮮明に浮かび上がってくるのです。
突き抜けた笑顔に万感の思いが宿る。汗の輝きまでもが残像にある。
ふと「臨死体験」という言葉が浮かびました。
どこか近いものがあるのかもしれません。

タブラオで大活躍されるお二人にとって、ガルロチは素晴らしい空間でした。
隣にいらした川島桂子さんが「水を得た魚」と表現されていましたが、
まさにその通り! 
エル・フラメンコを継承する歴史と格式、
そして”フラメンコの旬”を発信するガルロチの前衛性、
それらを融合する空間のスケールの中で彼女らの魅力はいっそう輝き、全開となっていました。
そこにグッと巻き込まれていく超快感!

『Barcelona Pura!』「バルセロナより愛をこめて」
8/26(土) 新宿 ガルロチ
【バイレ】
渡部純子
中田佳代子
【カンテ】
マイ・フェルナンデス
アントニオ・フェルナンデス
【ギター】
アントニオ・サンチェス(パコ・デ・ルシアの甥っ子だそうです!)
パルマ
三枝雄輔