2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

再び『家霊』

(引用) 「宿命に忍従しようとする不安で逞しい勇気と、救いを信ずる寂しく敬虔な気持ちとが、その後のくめ子の胸の中を朝夕に縺れ合う。それがあまりに息詰まるほど嵩まると彼女はその嵩を心から離して感情の技巧の手先で犬のように綾なしながら、うつらう…

移ろい

日の名残りと夜の闇とが入れ替わってゆく。 思っっていた以上に時間をかけて 夜になっていく。 作家の堀江敏幸氏が須賀敦子氏に向けて 書いた言葉を思い出す。 「『曖昧』であるがゆえに豊饒な時空」 「曖昧」とは 漠然としたひとつのかたまりなどでは なか…