2016-01-01から1年間の記事一覧

石塚隆充 パセオフラメンコ カンテソロライヴ

パセオフラメンコライヴVol.041 石塚隆充 カンテソロライヴ 12/22(木)高円寺エスペランサ 石塚隆充(カンテ) 智詠(ギター) 力みのない伸びやかな歌声に、気持ちをほぐされる。石塚隆充さんの歌は、フラメンコを理解するためには自分自身を深く掘り下げ…

石井智子 パセオフラメンコ ソロライヴ

パセオフラメンコライヴVol.040 石井智子ソロライヴ石井智子さんの踊りは、コンサバティブな矜持を保ちつつも、 内面は常に自らを革新させ、 成長していこうとする推進力に満ちた意志を 感じさせる。 その積み重ねが彼女の厚みとなり、 芯のある、そして朗ら…

フラメンコロイド ライヴ

パセオフラメンコライヴVol.039 フラメンコロイド ライヴ 熱くて超楽しいフラメンコライヴ! まるで鼻歌のような軽やかさで放たれる松村哲志さんのギターは ズシンと重いプーロ・フラメンコの筋が通っている。 そしてあべまことさんと高橋愛夜さんの引き締ま…

デリカシー

素直な人になろうと ずっと思っていました。 人を信じるためには まず自分がウソのない人になりたい と、思っていました。それがいつのまにか、 思ったことをそのまま ただダダ漏れさせるだけになっていて、 それはただ人を傷つけるだけだということに 気付…

原田和彦さん「コンパス講座④ティエント編」終了

パセオフラメンコ講座、 原田和彦博士の「もうコンパスが無いなんて言わせない!ティエント編」 終了しました! 2拍子のティエンポの奥に流れている、 3連や5連の「スペイン人の体内リズム」、 その、フラメンコ独特の魅力ある“ねばり”を耳から、目から、…

エル・プラテアオ カンテソロライヴ

セビージャの粋にひたりました! エル・プラテアオのカンテソロライヴ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ごつごつした肌触りを持つプラテアオの歌声。 生粋のセビージャの誇り高さを感じさせる、 あえて滑らかに洗練させない真摯な歌心は、 力強…

徳永兄弟フラメンコギターデュオライヴ

徳永兄弟フラメンコギターデュオライヴ、彼らの音楽は、 爽やかさの中に風格がありました。 バッハ『シャコンヌ』のアレンジは、 格調高い、素晴らしい音楽となっていました。 「この完成された音楽」と彼らは表現していましたが、 深い敬意を持って正面から…

荻野リサ パセオフラメンコ・ソロライヴ

【荻野リサ ソロライヴ】 美貌に、深い陰影が刻まれていた。 昨年のパセオライヴでは まだ美しい少女の面影を残していた荻野リサさんは、 内なるマグマを煮えたぎらせ続け、 その手に負えないほどのエネルギーは、 彼女を短期間で老成させ、 いま、彼女は、…

川島桂子 カンテソロライヴ 「極上の憂い、情念の華」

「極上の憂い、情念の華」 【パセオライヴ 川島桂子カンテソロライヴ】 のっけから「もう終わってもいい(笑)」というくらい素晴らしいノリの良さで観客の心を掴み切ったカンティーニャに続き、川島さんは、艶と憂いに満ちた声で、情感溢れる素晴らしいカン…

今枝友加カンテソロライヴ

時間の経過とともにパワフルに際限なく伸びていく、 今枝友加さんの声。 雑味も雑念も見事に取り払われた、 まさに研ぎ澄まされた漆黒のフラメンコだった。 現在フラメンコは、他ジャンル、または多国籍的な融合を、 様々なアーティストが試み、フラメンコの…

ダビ・ラゴス カンテコンサート

ダビ・ラゴス カンテコンサート、素晴らしい体験だった。 日本にいながらにしてこれを聴けるとは・・・! シギリージャは魂の状態を表現するものであり、シギリージャを歌ったあとは何も出来ない。何も残らない。そのように、カンタオールは全身全霊で歌わね…

第8回カディスの赤い星コンサート

【支えてくれる人がいるから】9/30は、8回目となる「カディスの赤い星」ギターコンサートでした。 フラメンコギターの良いものを残していきたいという、 逢坂剛さん、そしてプロデューサーの太田修平さんの想い、 というよりも"祈り"が伝わってくるコンサー…

エミリオ・マジャ ギターソロライヴ

エミリオ・マジャ ギターソロ・パセオライヴ、 昂揚がまだおさまりません・・・! 血の如くエミリオの身体を構成し、 止むことなく体内を駆け巡っている音楽が、 よどみなく外に流れて出て来たような、生きているフラメンコ! 楽譜を持たずに継承されてきた…

アントニオ・ガデス舞踊団『血の婚礼』

ロルカの、実話をもとにした戯曲を 極限まで削ぎ落とし、 その魂を抽出したような舞踊劇。 ロルカの紡ぎ出した言葉を 難しく解釈しようとする必要などない。 美しい緊迫に満ちた、わずか40分間のスペイン舞踊の世界に 心を委ね、ただ感じるだけでいい。 アン…

ディエゴ・ゴメス カンテソロライヴ

ディエゴ・ゴメスのソロライヴ、 詩を編むようなカンテを堪能しました。 息の長い声、確かな音程、豊かな節回しで 歌い紡いでいく世界は、誠実なフラメンコ愛に満ちていた。 ほどよいユーモア、滲みでるペーソス、 大きな身体を響かせながらも、力みのないフ…

アルテイソレラ「一炊ノ夢」

アルテイソレラ「一炊ノ夢」、 無意識の狂気を自覚せずにはいられない、 そんな心情を引き摺りだされた。 暮らしの中では誰もが、狂気と正気の振り幅の間を 何とかバランスを取って生きているのだ。 眠りの中で自我の地平を独り彷徨う鍵田真由美さんは やが…

吉行淳之介さんの声

吉行淳之介さんの声、たぶん初めて聞いた。 30年早く生まれたかった。 色気と情の手触りを直に感じられた時代。 そしてM,Mさんと彼を争いたかった。 手元の古い文庫本の文字を追いながら 吉行さんの語りを聴いていると 情景や心情の湿り気までもが沁みてくる…

エンリケ坂井さん講座「カンテ〜奥の細道」

9/25(日)のパセオ講座は、 エンリケ坂井さんの「カンテ〜奥の細道?」ソレア・デ・カディス編です。 エンリケさんの長年のフラメンコの経験、研究に基づき、カンテの原点について語ってくれる、しみじみ味わい深い散歩道のようなレクチャーです。 前回は、…

パセオ講座「三枝雄輔とフラメンコ!」初回終了♪

パセオ講座「三枝雄輔とフラメンコ!」初回終了しました! 言葉と実践によって、こんなにもフラメンコの面白さを実感したことはなかったような気がします。 まず雄輔さんがシンプルな1拍子のパルマを叩き続けながら、そこに雄輔さん自身の想いを、全身を使っ…

平野啓一郎著『マチネの終りに』読了

平野啓一郎さん『マチネの終りに』やっと読み終える。時間を掛けてじっくり読む幸せ。芸術論、音楽論、バッハ論、天才論、戦争論を背景にした奥行きがあって、どの文章にも立ち止まり、考えさせられてしまう。けれどそれは、切れぎれになることではなく、立…

アントニオ・ガデス

編集長の小倉が、 この秋来日する『アントニオ・ガデス舞踊団』についてのテレビ取材を受け、 見どころを語りました。 その中で、今は亡きアントニオ・ガデスの魅力について、 「身体のラインがほんとうに美しい」と語っているのを聞き、 もう30年も前に生の…

ぞうげって?

「これ、何?」「象牙」「そうげって?」 少女がママのアクセサリーに興味を持ったらしい。電車に乗っているとき、側に立っている母娘のそんな会話が聞こえてきた。 「象さんの牙で出来てるのよ」「???なんで?」 少女に象牙が高級品という認識はない。そ…

原田和彦さん「コンパス講座③ソレア編」終了♪

原田和彦さん「もうコンパスが無いなんて言わせない!③」【ソレア編】、フラメンコなリズムのうねりに浸りました! 「スペイン人の体内リズム」の揺らぎとノリの快さ。 バイラオーラの高野美智子さんがそのリズムを身に付ける前と後の変化を実際に踊り、そし…

石塚隆充さんカンテ講座第2回終了♪

石塚隆充さんカンテ講座【ヴェルデ編】、楽しい充実のひとときでした! 石塚さんの生歌でヴェルデを聴けるうれしさもさることながら、歌うにあたってのスペイン語の発音レクチャーも分かりやすくて、しかも面白い。 LとRの発音の違いを「さっぽろラーメン」…

エンリケ坂井さんフラメンコ講座「カンテ 奥の細道」終了

パセオ講座、エンリケ坂井さんの「カンテ 奥の細道」、 しみじみ味わい深い散歩道でした! 「ソレア・デ・アルカラーはソレアの王様といえます。それはこの雄大さにあるんです」 エンリケさんは、ギターの弾き語りを交え、 また往年の名唱をCDで紹介しながら…

工藤朋子さん パセオライヴ

パセオライヴVol.27 工藤朋子 進化、というよりも、純化したのだと感じる。工藤さんの踊りは凄絶さをいっそう増していた。 彼女の踊りから溢れ出る優しさの核にあるものを知りたいと、インタビューしたことがあった(パセオ2013年11月号)。故郷のおじいちゃ…

いっそ

アファナシエフのブラームスを聴きながら、 このピアニストの半生をおもう。 ソ連からベルギーに亡命した、 孤独の底を知る、哲学者のようなアファナシエフ。 ただひとりで、音楽と文学に向かう時間は、 いっそ清々しいものではないかとおもう。

アファナシエフのブラームス

アファナシエフのブラームス。 7つの幻想曲作品116がいまかかっている。 超スローの音楽。 アファナシエフは 決してメロディを流して弾かない。 味わうように 噛みしめるように 一音一音を紡いでいく。 私も 味わうように、噛みしめるように 一音一音に耳を…

エンリケ坂井さんソロライヴ

本日のパセオライヴは、プーロフラメンコの伝道師、エンリケ坂井さん。 その人の存在自体が、その人の居る分野の価値を再認識させてくれる、そんな人がいる。 フラメンコを唄い、フラメンコを奏で、そして、スペインに現存しながらも忘れら去られようとして…

パセオ講座 原田和彦先生のコンパス講座2回目終了♪

5月22日日曜日のパセオ講座、原田和彦先生のコンパス講座?は、 一回目を踏まえた、より分かりやすいレクチャーで、スッキリ感満載で終了しました。 フラメンコメトロノームやKikudake CD開発者の原田先生と、 発売当初からその理論に注目して来て、 自ら…