2019-01-01から1年間の記事一覧

大沼由紀舞踊公演 Magunetismo

大沼由紀舞踊公演「Magnetismo」(10/25金) 大沼さんは近年の長く深い迷いからやっと抜け出て新境地に辿り着いた。それは未知の場所ではなく、彼女がジャズや舞踏に自身を沈めて来た経緯があるからこそ必然的に誘われるはずの光当たる場所に、自然に立って…

『あちらにいる鬼』(井上荒野著)

『あちらにいる鬼』(井上荒野)読み終えた。静かに、大事に、読んだ。 肌に合う小説とは、目で追う言葉がまるで自分の独白のように、胸の底から吐かれている想いに捉われるものだ。 「あちらにいる鬼」は誰だったのか。男をはさんだ妻と恋人、あちらの女と…

熊川哲也 Kバレエカンパニー『シンデレラ』(5/25 上野 東京文化会館)

Kバレエカンパニー『シンデレラ』(5/25 上野東京文化会館)を観てきた。 アート性とエンターテインメント性の高水準で融合。 優美、官能、毒を併せ持つプロコフィエフ音楽が艶やかな絵巻となった舞台だった。 矢内千夏さんは初のシンデレラ。若くしてプリ…

入交恒子 パセオフラメンコライヴVol.110

入交恒子さんパセオライヴ初登場。 小山社長の5年越しのラブコールが機を熟して実現しました。 これまで、テアトロは何度も観ていました。エレガントさの中に狂気の痛みを秘めたフラメンコはいつも鮮烈に刻まれました。 今夜、その踊りを至近距離で観たとき…

谷朝子さんは見えないものが見えているひと。 聴こえない音が聴こえているひと。だからその光景を、色彩を、音を、フラメンコを通して、わたしたちに気づかせてくれる。 彼女がまとう艶やかなブルーグリーンの衣裳、それはただの色ではなく、深い湖であり、…

カサ・アルティスタ一周年記念ライヴ

カサ・アルティスタ一周年記念、おめでとうございます! わずか1年でフラメンコ界に新しい風を送り込んでくれた、どっしりとした実力と親しみやすさのあるライヴを思い返します。 そしてこの日も、日本におけるタブラオの歴史、いま、そしてこれからを感じ…

小島裕子 パセオフラメンコソロライヴ Vol.106

3月14日は、小島裕子さんのパセオフラメンコソロライヴ。 ラストのソレアの光景が忘れられない。 足元から満たされていく静かな充実。けれんやはったりは1ミリも無い。日々生きていく中の苦しみも喜びもすべてを真正面から請け負い、全身全霊で、かつ細やか…

エンリケ坂井さん主宰 カンテの会コンサート

昨夜は、エンリケ坂井さんのカンテの会コンサートに行ってきました。カンテの豊潤さを改めて知ることができた、素敵な発表会。 クラスごとに皆さんで歌うプログラム、そしてカンテ・ソロのプログラム、合わせて約30曲。例えばタンゴにしてもファンダンゴにし…

NHK「欲望の哲学史」マルクス・ガブリエルのドキュメンタリー

『なぜ世界は存在しないのか』著者マルクス・ガブリエルさんのドキュメンタリー。「新実存論」という思考。 本は未読だけど、おもしろかった。先にテレビを見た方が私には分かりやすくて良かったかも。 実存主義から、現在に至る思想の流れから見えてくる、…