2017-01-01から1年間の記事一覧

『日の名残り』

職をまっとうしようとすることは人間的な想いを閉じ込めることではない。 けれど時代的な縛りに捉われていた。 薄々気付いたときにはもうどうすることもできなかった。 この映画はそんな切なさを淡々と炙り出してみせる映画であり、カズオ・イシグロの小説だ…

ランボーの生き様

ランボーの生き様、放浪願望を刺激する。 善悪の尺度など幻想に過ぎない。 どこでどう生きようと好きに選べばいい。 http://kangaeruhito.jp/articles/-/2081

10/4はグールドの命日

10/4はグールドの命日。生きていれば85歳。 グールドとメニューインのデュオによるバッハのヴァイオリンソナタ第4番、 好きなので再び貼っておく。 グールドのピアノがスリリング。 左右の旋律は独立しながら絡み合う。 予定調和じゃない生命力。 終楽章ア…

昂揚を絞め殺す

「制作に当たっては、まず昂揚が必要だ、と私はおもった。その昂揚を一たん絞め殺して、心の底深く埋葬した上で、原稿用紙に向かわなくてはいけない。」(吉行淳之介『私の文学放浪』)大好きな吉行淳之介さんの、創作に当たっての自戒のこの言葉は、何とな…

吉行淳之介さんのことをおもう

あまりにも出会いが遅すぎた、吉行淳之介さん。本でしか対面していないけど、こんなにもクールでエモーショナルで粋な男と、恋愛をしたい。10年くらい前に本の中の彼に恋に落ち、文庫本も単行本も、ほぼ古本で買いあさった。Amazonの守備範囲の広さを私はこ…

距離感

どんなにいい人だって分かっていても どんなに好きでも その人との距離感を間違うと 一緒にいられなくなるんだ、って やっと気が付いた。

古井由吉『半自叙伝』

「見渡せばどれもこれも、学歴があろうとなかろうと、小奇麗に暮らそうと汚れて暮らそうと、すべて場末での頑張りである。」 (古井由吉『半自叙伝』河出文庫) 年の初めに読んだこの言葉を 何度も何度も開いては見て 救われている。 というよりも藁にもすが…

ショパンの協奏曲第二番

秋の夜のショパン。 協奏曲は第二番の方が好き。 第一楽章、6'20"あたりから ピアノ独奏がエモーショナルに盛り上がって 息が詰まりそうになる後、7'00'あたりからの、 短調から長調に移り変わる アルペジオの儚いきらめきの解放感。失恋するたびに(笑)必…

渡部純子×中田佳代子「バルセロナより愛をこめて」

渡部純子さんと中田佳代子さんの「バルセロナより愛をこめて」観て来ました。 ともにバルセロナを第二の故郷とするフラメンカ。 エッジの効いた渡部さん、ウイットに富んだ中田さん、 どちらも濃厚で、とっても温かい。バルセロナという人生の交差点で出会い…

関係性

「生きものは、産まれた瞬間から環境との関係を結び、死ぬことを含みながらいきている」 「命は静止しているものではなく、状態であり、関係の中で、いつも運動し変化しているもの」 (舘野鴻)胸に引っ掛かった言葉だったのでメモ。関係性、ということを考…

荻野リサ Al son de la tierra 2 東京公演

胸が熱くなるフラメンコだった。荻野リサさん主宰ライヴAl son de la tierra 2 東京公演。 踊り手出演者全員がそれぞれ踊りとともにカンテも真剣勝負で披露する濃厚なライヴ。 予約開始からわずか2週間で完売したというガルロチを埋め尽くす200席。観客の約9…

工藤朋子in アトリエ乾電池

工藤朋子さんフラメンコライブ in アトリエ乾電池(昼の部)に行ってきた。 会場は、下北沢の「アトリエ乾電池」。俳優の柄本明さん主宰、劇団東京乾電池のスタジオ。 今年の3月、日生劇場で上演された、山田洋次監督、今井翼主演の音楽劇『マリウス』に、工…

井上圭子 パセオフラメンコソロライヴ

6/14は井上圭子さんのパセオソロライヴでした。 可憐な佇まいに貫録を滲ませるフラメンコ。 祈りや希望を強く抱けるのは、負の想いを深く抱えるからこそ。井上圭子さんのフラメンコには、そんな人間的な葛藤がぎゅっと凝縮されていました。それは「我」のも…

エンリケ坂井 ギター&カンテ パセオソロライブ

エンリケ坂井さんのギター、カンテ、パセオソロライブ、素晴らしかった。 フラメンコの酔いから醒めないでいる。醒めなければよい、酔ったままでいいとおもう。 いたとたんにビビビッと胸に響く、あのしゃがれた声が好きで堪らない。 ペペ島田に捧げたシギリ…

乙川優三郎『虚舟』 さっぱりと生きる

なんてさっぱりとした生き方なんだろう。 乙川優三郎『虚舟』は、読むたびに、 行きたいと望む道程を遠くから照らしてくれる。 ウソやら停滞やら、そういったものが我が身にあると、 容赦なく痛みをもたらす、澄み切ったシビアな光。 だからこそ信頼できる言…

また始めればいい

やってみて間違えたのなら 間違えたところから また始めればいい。 何が間違いだったか わかったんだから。 何を目指しているときが一番好きな表情でいられるか だいぶんわかってきた。 そしてその表情でいられることが 一番幸せなんじゃないかって。 結果は…

ソール・ライター展

先日ふと立ち寄った「ソール・ライター展」がすごくよかった。 ファッション誌の見事な写真を撮る感性も持ちながらも、社会的な場でいることに重きを置かず、自身が住むニューヨークで60年余り、ごく自然に自らの視界に入って来るような風景を細やかな感性で…

うたたねでみた夢

教室みたいな殺風景な試写室。 見知った顔もある。 纏わりつくような雰囲気の女性。 挨拶を交わす。 ホラー映画らしい。 モノクロ、サイレントで始まる。 粗い映像。 天井から液体が滴り落ちる。 一滴、白いテーブルに赤い染みをつける。 二滴、私の体に降っ…

ヴィジョン

事情と選択の繰り返し、 否、繰り返しではなく、 それを積み重ねて行きながら、 例え遠回りになろうと、 迷路に入ってしまおうと、 目指すヴィジョンが在るという幸せを 感じながら、 この道を明るく歩んでいこう。

容昌 フラメンコパーカッションソロライヴ

容昌さんのフラメンコパーカッション・ソロライヴ! 多彩な打楽器の音の連なりが、 耳をシャカシャカくすぐり、 脳髄をストレートに刺激し、 足の裏から押し上げ・・・、 あらゆる響きが全身を刺激してきました! メロディも無い、歌も無い、 ただフラメンコ…

森田志保『GRAVITACIÓN』

カナリア諸島の火山島、ランサローテ島の映像が白い壁に浮かび上がる。 赤い岩肌をさらす、無機質な大地。 無音の中から鼓動が生まれるように、 齋藤徹を中心とした3台のコントラバスが、 生命の混沌と躍動を、うごめくようにかき鳴らしていく。 森田志保が…

徳永兄弟フラメンコ講座【タブラオの現場〜アレグリアス編】終了♪

徳永兄弟パセオ講座【タブラオの現場〜アレグリアス編】終了しました。 スペインのクリスティーナ・ヘイレンフラメンコ芸術学校で10代の頃から身に付けた深い知識と豊富な経験、想像も及ばない鍛錬によるギターテクニック、そしていま若い世代のフラメンコの…

カニサレスとNHK交響楽団による『アランフェス協奏曲』

世界で最も美しいフラメンコを奏でるギタリスト、カニサレスと、 日本の最高峰のオーケストラ、NHK交響楽団との共演による 『アランフェス協奏曲』を聴けた幸せをかみ締めている。 カニサレスのフラメンコは、スペインという枠をとうに超えた、 ヨーロッパの…