2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

昂揚を絞め殺す

「制作に当たっては、まず昂揚が必要だ、と私はおもった。その昂揚を一たん絞め殺して、心の底深く埋葬した上で、原稿用紙に向かわなくてはいけない。」(吉行淳之介『私の文学放浪』)大好きな吉行淳之介さんの、創作に当たっての自戒のこの言葉は、何とな…

吉行淳之介さんのことをおもう

あまりにも出会いが遅すぎた、吉行淳之介さん。本でしか対面していないけど、こんなにもクールでエモーショナルで粋な男と、恋愛をしたい。10年くらい前に本の中の彼に恋に落ち、文庫本も単行本も、ほぼ古本で買いあさった。Amazonの守備範囲の広さを私はこ…

距離感

どんなにいい人だって分かっていても どんなに好きでも その人との距離感を間違うと 一緒にいられなくなるんだ、って やっと気が付いた。

古井由吉『半自叙伝』

「見渡せばどれもこれも、学歴があろうとなかろうと、小奇麗に暮らそうと汚れて暮らそうと、すべて場末での頑張りである。」 (古井由吉『半自叙伝』河出文庫) 年の初めに読んだこの言葉を 何度も何度も開いては見て 救われている。 というよりも藁にもすが…

ショパンの協奏曲第二番

秋の夜のショパン。 協奏曲は第二番の方が好き。 第一楽章、6'20"あたりから ピアノ独奏がエモーショナルに盛り上がって 息が詰まりそうになる後、7'00'あたりからの、 短調から長調に移り変わる アルペジオの儚いきらめきの解放感。失恋するたびに(笑)必…