2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴヤ展

ゴヤ展に行ってきた。 絵画は本物に触れなければその真価は分からないものだが、 ゴヤの絵は、とくにそれを実感した。 今回の目玉となっている「着衣のマハ」の生々しさは、 印刷物などでは、絶対伝わってこない。 そしてこの絵は、距離を置いて鑑賞するだけ…

どっしりとベートーベン

近所のCDショップで、 エミール・ギレリスによる、 ベートーベンのピアノ・ソナタ『熱情』をみつけて、購入。 『悲愴』『月光』がカップリングされている。 『熱情』とくに第1楽章の、強靭な意志で上昇していくアルペジオは、 聴くたびに、私に勇気を与え…

憧れの作家、吉行淳之介さん

人を惚れさせる男―吉行淳之介伝作者: 佐藤嘉尚出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/04/01メディア: 単行本 クリック: 34回この商品を含むブログ (10件) を見る 私は生まれるのが遅すぎたのが悔しい。 今頃恋したって、すでに吉行淳之介さんはこの世界にいな…

フラメンコする理由

(引用) 「哲学書が難しいと言われる根本の理由は、哲学が ”私” ”人間” ”世界”を俯瞰することを拒否したところで思索しているからなのではないかと私は思う。 哲学者はそれらが俯瞰できない対象だからこそ思索する。それゆえ、思索に費やしたプロセス全体し…

吉行淳之介「技巧的生活」読了

ゆみ子の、想像妊娠までしてしまうほどの油谷への焦がれるような想い。 その、思い詰めるほど愛されていたということ自体にのみ喜びを感じ、 またゆみ子によって不能から回復した喜びを優しさに変える油谷の寂しさ。 体は交わっても、精神はいつまでたっても…

腹が立つわけ

腹が立って仕方がない、と嘆いていた友人に、 それは相手に期待しているからだよ、と言ったことがあった。 後になって、それでは私は誰に対して腹を立てているだろうかと考えたら、 それは、自分自身に向けられることが多いと気付いた。 そんなに自分に期待…

今という時

(引用) 「反省や後悔とともに、 今が3月11日の前日かもしれないという気持ちを持つ大切さ」 新聞を読んでいて 作家の川上未映子さんのこの言葉が目に留まり はっとさせられた。 心を込めて日々を過ごそう。 心の中を満たして それが溢れるように行動し…

新しい年に

ブラームスの交響曲第1番を聴いて一年を締める。 というつもりが、新しい年を迎えていました。 この若い理想と自意識の葛藤の塊のような交響曲が、 大好きだった時期もあったのだが、 その重苦しさから、ここ数年意識的に遠ざかっていた。 それがまた昨年の…