憧れの作家、吉行淳之介さん

人を惚れさせる男―吉行淳之介伝

人を惚れさせる男―吉行淳之介伝

 私は生まれるのが遅すぎたのが悔しい。
 今頃恋したって、すでに吉行淳之介さんはこの世界にいないのに。
 
 私は生まれるのが遅すぎたのが良かった。
 もしも同時代に生を受けていたならば、
 宮城まり子さんを憎んでしまって、
 どうしようもない心を抱え込んでしまったことだろう。