NHK「欲望の哲学史」マルクス・ガブリエルのドキュメンタリー

『なぜ世界は存在しないのか』著者マルクス・ガブリエルさんのドキュメンタリー。「新実存論」という思考。
本は未読だけど、おもしろかった。先にテレビを見た方が私には分かりやすくて良かったかも。

実存主義から、現在に至る思想の流れから見えてくる、ほのかな希望。

(以下、番組からのメモ)
かつて「社会派夢のような共同幻想」の中にあった。
鏡像段階ラカン)。社会はイメージの投影に過ぎない。
共同体によるセルフイメージをコントロールできたら、階級社会を支配できる。
精神分析の理論を広告産業に利用していた。
広告産業は幻想の産物であり、
「文化産業が提供する製品は否応なしに型通りの人間を生産する」(アドルノ

(ここの感覚は、現代もかなり引きずっていると感じます。)

「なんでもあり」の相対主義を相対する。
人になにをすべきか。モラルは相手の立場にたって初めて分かる。
意味のあるものは存在する。だが「世界」は存在しない。「全体」を見渡す神の目は期待できない。「全体」性という考えをやめれば、新しい思考が生まれる。
「歴史」を疑え。「因果関係」を疑え。
「全体」求めず、
「細部」に引きこもらず、
思考し続ける。(以上)

そこからは自ら考えること、と個々に委ねられた気がする。

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/92225/2225581/
著書『なぜ世界は存在しないのか』
https://allreviews.jp/review/2205/