エミリオ・マジャ ギターソロライヴ

エミリオ・マジャ ギターソロ・パセオライヴ、
昂揚がまだおさまりません・・・!

血の如くエミリオの身体を構成し、
止むことなく体内を駆け巡っている音楽が、
よどみなく外に流れて出て来たような、生きているフラメンコ!

楽譜を持たずに継承されてきたフラメンコの、
楽譜を持たないからこそ、歴史の根っ子を保ちながら、
伝えていく人々と共に成長してきた音楽の宇宙を、
今更ながら感じました。
それは漆黒の色彩なのに透明で限りないのです。
その感覚はめまいのするような歓びでもありました。

その瞬間ごとにエミリオから生まれたばかりの音楽に、
共演者は、即、反応して、一体となり、会場を沸かしていました。
エミリオのフラメンコの血がエスペランサ中を廻っているようでした。

平松加奈さんのヴァイオリンが絶品。
エミリオが放つ音楽を、リズムやメロディまでも鮮やかな反射神経で捉え、
互いに刺激しながら渡り合い、高め合い、
想像もつかないところに連れて行ってくれる。
なんてしなやかな瞬発力!

塩谷経さんは細やかなギターでエミリオに寄り添う。
朱雀はるなさんは太陽のようなアイレで観る人の心を照らす。
三枝雄輔さんはワイルドかつエレガントなパルマとハレオで
音楽に厚みをもたらす。

フラメンコは、音楽の引き出しを持っていて当たり前、
それを惜しみなくさらけ出し合い、互いに掛け合わせていく過程で、
創造していく、その瞬間でしか感じることができない至高の芸術なんだと、
あらためて感じた、胸いっぱいの秋の夜。

パセオフラメンコライヴ Vol.033
エミリオ・マジャ ギターソロライヴ
9/22(木) 
高円寺エスペランサ

エミリオ・マジャ(ギター)
塩谷経(ギター)
朱雀はるな(パーカッション)
平松加奈(ヴァイオリン)
三枝雄輔(バイレ/パルマ