石井智子 パセオフラメンコ ソロライヴ

パセオフラメンコライヴVol.040
石井智子ソロライヴ

石井智子さんの踊りは、コンサバティブな矜持を保ちつつも、
内面は常に自らを革新させ、
成長していこうとする推進力に満ちた意志を
感じさせる。
その積み重ねが彼女の厚みとなり、
芯のある、そして朗らかな大人の色気を漂わせる
スケールの大きなフラメンコとなっていた。
凛としたパリージョが響き渡る風格のあるシギリージャ。
ふたりのスペイン人カンタオールと堂々と渡り合い、
おおらかな広がりを感じさせたカンティーニャス。
そして、舞台上で起こることをすべて一身に引き受け、
なおかつ大輪の華として舞台を牽引していくたくましさを見せたソレア。
石井智子さんの深い底力を見た。そしてそれはどこまでもエレガントだった。
そして、ご子息の蒼生くんのまっすぐなフラメンコ。
エスペランサの生の空間だからこそ自然に伝わって来た、
彼の素直さ、勢い、そして覚悟。
彼がこの先どんな道を歩むとしても、
それはまっすぐに開けていくことを予感させる、
清々しさがあった。
快い空気に満たされた忘れ難いエスペランサの夜。

12月14日(水)高円寺エスペランサ
石井智子(バイレ)
岩崎蒼生(バイレ)
マヌエル・デ・ラ・マレーナ(カンテ)
エル・プラテアオ(カンテ)
エミリオ・マジャ(ギター)