アントニオ・ガデス

編集長の小倉が、
この秋来日する『アントニオ・ガデス舞踊団』についてのテレビ取材を受け、
見どころを語りました。
その中で、今は亡きアントニオ・ガデスの魅力について、
「身体のラインがほんとうに美しい」と語っているのを聞き、
もう30年も前に生の舞台で見たアントニオ・ガデスの姿が
鮮やかに脳裏によみがえりました。
思い出すだけで、今もときめいてしまいます。

スペイン内戦が勃発した1936年に生まれたガデス。
父親は志願兵となり、身重だった母親を残して出兵し、
重傷を負います。
貧しさの中で食べるためにガデスは
11歳のころからあらゆる職に就き、
15歳の時、ナイトクラブで踊っていた時に、
フラメンコ舞踊家ピラール・ロペスに
その才能を見出されることになります。

彼にとって踊ることは、生涯、労働でした。
才能に甘んじることなく、舞踊、文学、美術を学び続けます。
ロルカを読み、ミロやピカソなど
多くの芸術家たちとの親交を深め、
インスピレーションを受けながら、
生きるとは?という強烈な問い掛けを、舞台に反映し続けました。
だから、ガデスの舞台には研ぎ澄まされた緊張感が漲っている。
ストイックに哲学を追求する孤高の姿に
虚構を排除した芯のある色気が滲む。

その美学を受け継いだ、
新生『アントニオ・ガデス舞踊団』の舞台が待ち遠しい。
ガデスが美しい立ち姿で、真に伝えたかった想いに、
あらためて触れてみたい。

今日の収録は、9/6(火)TBS『アカデミーナイトG』で
放送予定だそうです。
編集長の言葉と映像が、
どんな風に編集されているでしょうか。楽しみです。

そして『アントニオ・ガデス舞踊団』公演は、 
9/17(土)〜9/19(月・祝)
BUNKAMURAオーチャードホールです!