線路は続く

 山手線の窓から、新幹線が目に入ったとき、ふらりとそれに乗って、どこかに行ってしまいたいとよく思う。
 隣に伸びる線路は、遠くのどこかに続いている。次の駅でひょいと乗り換えるのは容易いことだ。
 行った先の保証は何も無い。でも、今の暮らしの先にも、じつは同じように何も無いのかも知れない。
 現実の生活を、未来への保険だと言い聞かせて、過ごすようになったのは、もうずいぶん前からだ。
 どの道のりも険しいのなら、好きな道を選べばいい。
 乗り換える駅は目前だ。