重心の在処

ブラームス:ピアノ小品集

ブラームス:ピアノ小品集

ブラームス:間奏曲集/4つのバラードより/2つのラプソディ

ブラームス:間奏曲集/4つのバラードより/2つのラプソディ

 視線が上っ面しか追っていない。
 焦りと雑念で気持ちが浮いてしまっているのを自覚している。
 
 心を落ち着けて
 文字の向こう側にあるものを読み取ろう。
 音の奥にあるものを聴き取ろう。

 こんなときは自分自身の好きだったものに立ち返ってみる。

 静かに自分に問いかけてみる。
 選んだのはブラームスだった。
 やはりというべきか。

 後期のピアノ小品集。

 透明に溶け合ったルプーの音ではなく
 重厚な内声音がくっきりと浮かび上がるグールドを手に取っていた。

 小さなことでもひとつひとつ
 丁寧に気持ちを入れていきたかった
 心境の表れだと
 理解した。