ねばならない、の厚化粧

ねばならない、の上に、
ねばならないを塗り重ねていた。
なろう、ではなく、
隠そうという意識がそうさせていく。
そんな自分を否定すればするほど、
厚化粧になっていくという矛盾。
なんて哀れで滑稽な姿。
うっとうしいものを剥ぎ取って、
素っ裸の寄る辺ない身になり、
初めて、本当にまといたいものを知る。
それを求めて、一歩を踏み出す。
だから迷いがない。
偽りの美学はいらない。