官能

「自由に生きることを求めながら、この男の前でだけは自由ではいられないと思う。そこから官能が生まれて来る」
本を読みながら寝落ちしてしまったようで、朝、こんな感じの言葉だけが記憶に残っていた。どの本のどこに書かれていたか、まだ探せていない。
枕元には、数冊の瀬戸内晴美の小説、そしてヴィスコンティを特集した30年前のユリイカ。こちらは淀川長治の、美しき映画監督への熱いラヴレターのような評論が強烈だった。
記憶の言葉は、どこに書かれていたとしても不思議はないような気がするし、想像しただけなのかも知れない。自分の節操の無さだけが、読み散らかしていた跡に残っています。