カントロフの音色

ジャン=ジャック・カントロフのヴァイオリン、ジャック・ルヴィエのピアノによる、フランクのヴァイオリン・ソナタを久しぶりに聴く。
繊細な軽やかさの中に、艶やかな官能を滲ませている。
しなやかな音の流れにはいきいきとした推進力があり、
のどが渇いたときに水を与えてくれるように、
生きる歓びをよみがえらせてくれる。

これを聴きたくなる時は、
肌淋しいような、やるせない想いをどうしようもなく抱いてしまう時だったことを思い出しました。

それはきっと誰もが抱いていること。
その想いを起点に人と接することで、
優しくなれるような気がする。
そして、見えないけれど、
深いところでつながっていけるように思う。