ベジャールの命日


 昨日11月22日はモーリス・ベジャールの命日でした。
 2007年に亡くなっているので、もう丸5年経つのですね。
 
 フラメンコの公演にもよく使われるラヴェルの『ボレロ』。
 私の内では、ジョルジュ・ドンが踊るベジャールの作品が
 やはり断トツです。

 独特の風貌のジョルジュ・ドン。
 もっと上手いそして綺麗なダンサーは
 他にもいるかも知れない。
 
 けれど20数年前に初めて
 彼の映像を観たときの
 強烈な印象は
 まったく色褪せることは無く
 何度観ても昂揚してしまう。
 芸術の感動はジャンルを問わず
 人間そのもののインパクトにあるということを
 思い知らされます。

 ベジャールが振付けした『ボレロ』は
 ラヴェルの音楽に内在している
 感情の熱を鷲づかみにし
 人間の身体をぶち抜いて
 その真髄を顕わにした
 そんな強烈な生々しさがあります。
 生きていることを全身の細胞で自覚せずにはいられないのです。
 舞踊とは魂の叫びである。
 ベジャールの作品には
 そういうものが通底しているような気がします。