岡田利規 戯曲『ZERO COST HOUSE』

群像 2013年 02月号 [雑誌]

群像 2013年 02月号 [雑誌]

岡田利規 戯曲「ZERO COST HOUSE」』

(引用)
「なんかきみさ、プロテクトしてる感じあるよな」

「世界に複数のレイヤーが存在しているってことは
 思考の解像度を上げない限り絶対見えてこないことだからね」

「都市が狭苦しいのは、それをとらえる自分の思考が狭苦しいからなんだよ。
 思考の解像度が低いからであるからにすぎない」

(群像2月号 岡田利規 戯曲「ZERO COST HOUSE」より)
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久々に戯曲を読んだ。登場人物や設定が突飛な感じがして敬遠していたのだが、
あるきっかけがあって読み始めた途端、
そのリアルさに引きずり込まれてしまった。

磨き抜かれ削ぎ落とされた先鋭的なセリフは
容赦なく感情に突き刺さってくる。

このセリフは過激にも思えるが、そう感じてしまうのは
やはり自分が精神的にぬるま湯に浸かり切っているからだ。
こういった危機意識は、まっとうに自立している人間なら
当然持っているものだろう。

会話の言葉とは怖いものだと改めて思う。

身体から発せられた言霊のエネルギーを軽んじ甘くみてはならない。
マイナス思考や気弱な愚痴は、発した途端にその甘さに自ら酔いしれてしまい、
その気分に浸ったまま、そこに絡み取られ、出られなくなってしまう。

この作品に惹かれ、言葉が身体に流れ込んで来たということは、
タイミング的に自らそういったものを欲していたということを自覚すべきだろう。
そしてしっかり咀嚼する。
それは態度につなげていくということだ。