シューベルトの命日

11月19日はシューベルトの命日。
1828年のこの日、31歳という若さでこの世を去ったという。

今日一日、晩年のピアノ・ソナタ第21番などを流しながら過ごした。

シューベルトの作品を思い返しながら、
何が聞きたいかなと自問すると、
やっぱり旋律そのものが美しい歌曲に行き着く。

ディースカウの歌う『冬の旅』は心の定番だが、
一曲選ぶとするならば、
『水面で歌う』(Auf dem Wasser zu singen D.774)が一番に挙がる。

波間のきらめきに人生の時間の移ろいを重ねていく、
奥深い詩を感じながら揺らめくような旋律を聴いていると、
自分自身の迷いや焦りという負の感情も
生きているからこそと思えてくる。
音楽も人生も陰翳があるから素晴らしい。
シューベルトの短かった生涯を想う。

水面のきらめきのようなピアノの音の粒に彩られた
エリー・アメリングの
澄み切った優しい歌声が胸に沁みいる。

http://www.youtube.com/watch?v=1RsnWvAN0Jw#t=29