5月

5月がこんなにも美しかったなんて。
昨日見た新緑の眩しさが胸に焼き付いている。
葉先にまで
水分を流動させている肉厚の葉が
無数に生え
豊かに枝を覆いつくし
深い緑の波となっていた。
傾斜にある木々は
なだれ落ちそうな重量感を湛えながら
しっかりと根を張って立っていた。
灰色の冬の季節も
内側で継続してきた成長を
いっぺんに吹き出すように
緑の強い陰翳を現していた。

その美しさへの驚きは
生命の勢いに対する畏れなのかも知れない。
そうであるならば
私の成長は足踏み状態。
新緑のざわめきを
全身に浴びた熱で
私もまた芽吹き
新しいところに
向かって行こう。