フランス・ブリュッヘン逝く

彼のトラヴェルソによるバッハのフルート・ソナタ全集が手元にあり、
よく聴いていた時期があった。
ロ短調無伴奏イ短調の、孤独な浮遊感の中で、
澄んだ眼差しで内心を覗き込まれているような
静かな戦慄を感じたのを覚えている。

そして、コレルリの『ラ・フォリア』。
寂寥の音色に込められた慟哭は、普段抑えている感情を引き摺り出す。
それは切なくも快い解放感だった。

今日はそれらを繰り返し聴いている。

http://www.47news.jp/FN/201408/FN2014081301001888.html