日本フラメンコ協会 第24回 新人公演初日

新人公演初日は、バイレ・ソロと群舞。
どの方の踊りからも、
生きているからこそ自身の中に湧き上がる喜びや哀しみに
向き合おうとする、真剣なまなざしが、
熱く伝わってきます。
それぞれの方の豊かな人生に思いをはせながら、
生き方そのものを昇華できるフラメンコの魅力をかみしめています。

とくに印象に残っているのは、
まず佐藤哲平さんのファルーカ。
毅然とした中にも優雅さのあるブラソ、
力強くも繊細な足さばき、
全身に満ちる気迫をクールに抑制しているところに、
好感が持てました。
作品としても完成度の高いファールカが、
これからどのように熟成していくのかが楽しみです。

そして、大野環さんのバンベーラ。
フラメンコの重みがぐっと伝わってきました。
それはマヌエル・デ・ラ・マレーナの重厚なカンテと
同等に渡り合い、一体化していたから。
フラメンコの「三位一体」というのは、
決して足し算などではない。
舞台上のアーティストたちの、
強烈なヴィジョンのある心の融合は、
その何倍も重く深い世界を生み出すもの。
そういったことを思い出させてくれた、
不屈の精神を感じさせてくれる、
迫力ある踊りでした。

さて、開演の前後と休憩時間には、
パセオの会場販売をやっています。
最新号の9月号と共に、
バックナンバーをご覧になっていただけます。
初日から、想定外で完売になってしまったバックナンバーもあり、
大変、ご迷惑をおかけしました!
本日しっかりと補充して販売いたします。

パセオの表紙をながめているだけでも、
国内外の美しいフラメンコの豊かさを
感じていただけるのではないかと思います。
お世話になった先生の記事をみつけてお求めになられていた
お客さまもいらして、
そういった先達の方の思いをお伝えできたことが、
とてもうれしかったです。
ぜひお立ち寄りください。